映画監督・宮崎駿さんが、開業したばかりの「ジブリパーク」にお祝いメッセージ入り色紙を書いた。その文章に使われた手書きの文字が、注目されている。「本日開園」の「園」の字を見ると、くにがまえの中はカタカナで「エン」となっているのだ。
ツイッター上では、この文字に「すごい」「かわいい」「創作すごい」と言った反応がある。ジブリパークは愛知県長久手市に、2022年11月1日オープン。色紙は、「スタジオジブリ」公式ツイッターアカウントが公開した。
「珍しい略字」20代は知らないが...
宮崎監督が書いたような簡略化した漢字、つまり「略字」を集めたウェブサイトがある。「略字データベースまとめwiki」だ。見ると、「園」の略字一覧が設けられ、そこで前述のくにがまえに「エン」の略字が確認できる。
手書きの機会が少なくなった現代、若い人には略字になじみがないかもしれない。J-CASTトレンド記者は20〜50代の人を取材。変わった、もしくは珍しい略字を知っているか聞いた。
20代の男女4人はいずれも「知らない」と回答。一方で、「門」を略した字や、「魔」をまだれに「マ」と書く字は知っている、もしくは使うと2人が答えた。
30代女性は、「図」を、くにがまえの中に「ト」を入れて表す略字を知っていた。詳しく聞くと、大学時代に司書資格を取得するための講義で習ったと言う。
「慶應」と「KO」
40代男性に聞くと、77歳を祝う行事「喜寿」の「喜」について教えてくれた。漢数字の「七」を三つ書いてひと文字で表す略字があるとの話だ。喜寿は、漢字の書体の1つ「草書体」で「喜」を書くとき、「七十七」に見えることが由来だという。
男性がこれを知ったのは小学生の時で、
「国語辞典を引いていたら、子ども用の辞書だったのでところどころコラムがあったのですが、そこに喜寿のことが書いてありました」
と話した。
50代の男性は、「慶應義塾大学」の「慶應」を表すのに、まだれの中にアルファベットの「KO」(ケーオー)と表現する字を紹介してくれた。高校時代の予備校で、事務局の人が使っていたと言う。「さすがに『KO大学』とは書かないんだなあ」と思ったという。
ただし、これは男性が高校生だった30年ほど前の話。取材した中には、2022年3月に慶大を卒業した20代男性がいた。彼に「まだれにKO」を知っているか聞くと、
「ぼくは广の下にkoと書く文化は知らないですね...。この話自体も初めて知りました」