「慶應」と「KO」
40代男性に聞くと、77歳を祝う行事「喜寿」の「喜」について教えてくれた。漢数字の「七」を三つ書いてひと文字で表す略字があるとの話だ。喜寿は、漢字の書体の1つ「草書体」で「喜」を書くとき、「七十七」に見えることが由来だという。
男性がこれを知ったのは小学生の時で、
「国語辞典を引いていたら、子ども用の辞書だったのでところどころコラムがあったのですが、そこに喜寿のことが書いてありました」
と話した。
50代の男性は、「慶應義塾大学」の「慶應」を表すのに、まだれの中にアルファベットの「KO」(ケーオー)と表現する字を紹介してくれた。高校時代の予備校で、事務局の人が使っていたと言う。「さすがに『KO大学』とは書かないんだなあ」と思ったという。
ただし、これは男性が高校生だった30年ほど前の話。取材した中には、2022年3月に慶大を卒業した20代男性がいた。彼に「まだれにKO」を知っているか聞くと、
「ぼくは广の下にkoと書く文化は知らないですね...。この話自体も初めて知りました」