生活習慣改善しないと手術になるかも
めぐみさんが出血してしまったのは、座りすぎによるイボ痔が原因。イボ痔とは、肛門の周辺に腫れものができてしまう状態です。便秘や排便時のいきみによって、肛門部分に負担がかかると、血流が悪くなり腫れ上がってしまうことで起こります。めぐみさんの場合は、長時間のデスクワークや、便座に長時間座ったままになる習慣によって、肛門に過度な負担がかかりイボ痔になったと考えられます。
日本大腸肛門病学会専門医で、ウィメンズクリニック浦和医院の那須聡果院長に取材しました。
「デスクワークなどの座ったままの姿勢は、肛門周辺に負担がかかるので鬱血しやすいです。特に便座に座る姿勢は、肛門部分が便座より低い位置になるので負担が増加してしまいます」
と説明。合わせて、「自然とイキんでしまって負担をかけることもあるため、長時間の"ながらトイレ"の習慣はやめましょう」との話でした。
つまり、先ほどの二者択一の正解は、
同じ姿勢でいる時間を意識的に減らす
となります。トイレで便座に座っている時間は、1~2分程度が理想と言われています。それ以上は、肛門に負担がかかるので、スマホをいじりながらの「ながらトイレ」は、ぜひやめてください。
一方、市販薬の使用は、出血を起こした傷口を治す、痛みがあるといった場合には有効です。しかし、市販薬には痔そのものを治す効果はありません。初期の痔の場合は、薬物療法に加えて生活習慣改善を行う「保存療法」(後述)を行います。薬だけを使用して生活習慣を改善しないと、知らない間に痔が悪化して最終的に手術が必要になる場合も......。