マイナンバーカードの受け取りに必要な交付通知書。これが「一向に届かない」との声を、ツイッター上で毎日のように見かける。カードの申請後、2か月待っても通知書が手元にこないとする人もいる。マイナンバーカードには、新規取得者への「マイナポイント」の付与や、健康保険証として利用できる制度を設けるなど、さまざまな普及策が講じられてきた。
加えて、政府は2024年秋をめどに健康保険証を廃止し、マイナカードと一本化する方針を示している。こうした背景からさらに申請者が増加すれば、カード発行・受け取りにかかる時間も遅延の一途をたどることにならないか。
交付通知書届くまで2か月
マイナンバーに関するシステムを運営する地方公共団体情報システム機構は、制度に関する情報をまとめたサイト「マイナンバーカード総合サイト」を公開している。それによると、交付通知書は交付申請後「概ね(おおむね)1か月」で自宅に届くと書かれている。一方、すぐ下には「市区町村によって状況が異なります」との但し書きが。
横浜市公式サイトには、マイナンバーの交付にかかる日数を解説するページがある。最終更新は22年10月13日付だ。ページによれば「現在申請をされる方が増えており、交付通知書のお届けまで約1か月半~2か月程度となっております」。2か月経っても届かない場合は、在住する区の区役所戸籍登録担当まで問い合わせるよう呼びかけている。
東京都豊島区公式サイトも、申請後に交付通知書が届くまで「1か月半から2か月程度」かかるとしている。
10月25日付産経新聞(電子版)は、一部自治体に、カードの取得方法に関する問い合わせが相次いでいると報じた。これは、健康保険証を今後マイナカードに一体化する政府方針を受けたものだという。
同記事によれば、大阪市では「マイナポイント」を申請するための特設ブースが混雑。平野区の区役所では25日午前、約70人の来庁者が訪れ、待ち時間が5時間となったとのことだ。
23年3月までに「ほぼ全国民」交付目指すが
総務省サイトによると、2022年9月末時点でマイナンバーカードの全国での交付率は49.0%。政府は、2023年3月末までにほぼ全国民への交付を目指すとの方針だ。
総務省のマイナンバー制度支援室に取材した。マイナカード発行にかかる時間の改善は、保険証との一体化を進めていく上で「考えていかなくてはいけない」問題だと担当者は語る。今後、厚生労働省やデジタル庁といった関係省庁と密に検討しつつ、対応していくとした。