女性も王位継承が可能
日本でも過去には、皇族の人数を減らしたことがあった。『公家源氏――王権を支えた名族』 (倉本一宏著、中公新書)によると、源氏姓の生みの親となる嵯峨天皇(786~842)には、皇子女が50人もいた。このうち32人の皇子女は、源朝臣姓を賜り臣籍降下している。
理由は明らかではないが、子が多すぎて、国費を圧迫していた、自分の子を高級官人にして天皇を輔弼させようとした、多くの皇子女を臣下に降ろすことによって、皇位継承の候補者を削減しようとした、などの説がある。
同書によると、嵯峨源氏の一世では3人の左大臣を輩出した。しかし、その孫世代になると、中級役人程度になり、四世になると、ほとんどが消息不明になっているそうだ。
嵯峨天皇の例に倣って、その後、同様のケースで「源」が使われるようになった。どんどん増えて21流にもなり、どの天皇からかということを明示するために「清和源氏」などと呼ばれるようになったという。
戦後の日本では、11宮家が皇籍離脱となり、一気にスリム化した。そんなこともあり、現在は、皇位継承者となる男性皇族の数が少なくなっている。
産経新聞によると、欧州では女性も王位継承が可能。国王直系の「次の君主」の人数に不足はないとのことだ。