文教費自体の拡充も必要
日本では長年、実質賃金が上がらず、成長が鈍化。経済面で停滞し、国力が落ちているということは多方面で指摘されている。
経済評論家の加谷珪一さんの『日本は小国になるが、それは絶望ではない』(株式会社KADOKAWA)によると、日本が立ち直るには、業界再編・人材の流動化が必須。そのためには、転職が可能になる高い能力を社会人に付与できるような再教育システムが必要だ。
同書には「高等教育機関への25歳以上の入学者比率」の一覧表が出ている。日本はわずか2.5%。スイス、イスラエル、アイスランド、デンマーク、ニュージーランド、スウェーデンなどは25%を超えている。「豊かな国」では社会人になってからも、大学院で再び学べる仕組みが出来ている。
加谷さんの『貧乏国ニッポン――ますます転落する国でどう生きるか』(幻冬舎新書)によると、教育に対する公的支出のGDP比率は、日本は主要43国の中で40位。一般会計における文教費の割合は、1960年代は12%近くあったが、現在は4%近くに低下している。
社会人の再教育と同時に、文教費自体の拡充も必要とされている。