「クリを電子レンジで温めてはいけない」
ゆで卵が電子レンジで爆発、というのはよく知られた話だ。クリも同じなのか。温めたい場合にはどうしたらいいのか。電子レンジを製造するシャープの広報に取材した。
水分が加熱により膨張→破裂
シャープでは、同社製の電子レンジやオーブンレンジ、ウォーターオーブンの「レンジ機能」を使ったクリの加熱は推奨していない。クリを殻付きのままレンジ調理をすると破裂や発火の可能性、また破裂した破片が庫内を傷つける恐れがあるためだ。
広報によると、加熱によりクリの実に含まれる水分が膨張し、外側の厚く堅い「鬼皮」が破裂する場合がある。クリを温めたい場合、レンジ機能は使ってはいけないが、次の方法を教えてくれた。
「加熱前に包丁で切れ目、割れ目を入れ、オーブン加熱または蒸し物調理を推奨しています」
実はゆで卵もクリ同様、レンジ機能を使って温めると水分が膨張し、爆発する。独立行政法人製品評価技術基盤機構製品安全センターの公式サイトは、「電子レンジの事故」に関するリリースを2020年2月27日に紹介している。それによると、ゆで卵などの電子レンジを使った温めを禁止されている食品を加熱した場合、食品内部の蒸気が抜けず圧力が上昇、破裂に至る。
殻や膜のある食品は要注意
「電子レンジの事故」のリリースでは、加熱してはいけない食品もあわせて紹介している。
卵は、ゆで卵だけでなく「殻付き卵」の項目がある。説明では、殻を割った状態でも生卵の黄身が破裂する場合があるので、解きほぐすように注意している。
クリ、銀杏など殻のある食品は「殻付きのままでは加熱してはいけません」とし、ソーセージや明太子、イカなど、膜のある食品では加熱時の注意を促している。
取材したシャープ広報も卵やクリ以外に、膜のあるイカもレンジでの加熱は推奨していないとした。温めに使う容器も、レンジ加熱が可能か事前に確認するよう促した。