【連載】アイスリボン・藤本つかさ 素顔の女子プロレス
始まりがあれば、終わりがある。どんな分野でもそう。
今日は女子プロレスラーの引退についてお話しします。
30歳で引退するだろうと
14年プロレスをやっていると、たくさんの人の「引退」を見送ってきました。
最後のバトルロイヤルなども合わせると、引退試合に関わったのは、9選手。中にはデビュー戦と引退試合どちらも務めさせてもらった選手もいました。
ギャルレスラー「寿ゆり」です。
彼女は強烈なインパクトを残して登場し、強烈なインパクトのまま去っていきました。私が結婚発表した時は、まるで「ゆるたん」(※寿ゆりのニックネーム)と結婚したかのような画像まで送ってもらい(笑)、とてもうれしかったです!
最後の相手となると、緊張もするしプレッシャーもあるし、寂しい感情だけでは過ごせません。プロレス人生を「介錯する」という重要な責任があります。豊田真奈美さんの時がそうでした。なので、それまで自分自身もけがをしないよう、心と身体のメンテナンスが重要になってくるのです。引退試合の相手に選ばれるのは名誉なことですが、そのプレッシャーに飲み込まれないメンタルも大切です。
それでは、女子レスラーが引退を決断するのは、どんな時でしょう?
けが、病気、年齢、周年の区切り、結婚、他にやりたい夢が見つかる、環境の変化、やりきった、が多いです。
けがや病気はドクターストップがかかるため、本人の意志と反しますが、こればかりは命に関わるため言うことを聞くしかないです。一番優先すべきは「命」ですから。
また女子の場合は、「30歳で引退を決めていた」「3年で引退」「10 年で引退」「寿引退」など、区切りで考えている人もいます。かつて新人時代の私は、30歳で引退するだろうと思っていました。もうだいぶ過ぎましたが...。
引退理由は人それぞれ。全盛期での引退も美しいし、体がボロボロになってからというのも美学でした。