「Google Play」での値上げの可能性
「原神」の課金ユーザーの中には、「App Store」値上げを機に、「アンドロイド」OS搭載のスマホに乗り換えようという人がツイッター上では多く見られた。これならApp Storeではなく、米グーグルが運営する「Google Play」という別のアプリ配信サービスを利用するので、値上げを避けられるのではないかとの期待らしい。
しかしツイッターでは、以前のApp Store値上げ時にGoogle Playでも同じ動きがあったと嘆く人が多い。
2019年10月1日の消費税率引き上げ時、App Storeは価格改定した。スマホ向けRPGゲーム「Fate/Grand Order」(FGO)はこのとき、App Store版アプリでの課金アイテムの価格を変更した。それに加えて、「配信先による価格差を抑えるため」に、Google Play版やauゲーム版についてもアイテム数と販売価格の改定を実施したのだ。
スマホ向けバトルロイヤルゲーム「PUBG MOBILE」はFGOの告知と同日に、日本公式ツイッターで、同様の理由で課金アイテムの価格変更と、Google Playでの販売価格調整を予告していた。
FGO、PUBG MOBILEいずれも、ゲーム運営会社側がApp Storeとの金額バランスを維持するため、「自発的」にGoogle Playでの値上げを実施したとみられる。ただ前出の石川氏によると、グーグルでも円安など為替レートに合わせて金額を調整することがあるそうだ。ということは、今回のケースではGoogle Play自体がApp Storeと同様の措置を取る可能性も――。
今後については、「なんとも言えない」と石川氏。ただ「グーグルとしてはアップルの動向を見て、iPhoneユーザーの取り込みを狙って(Google Playでのアプリや課金アイテムの)価格を維持することも可能」と指摘する。一方で、アプリ開発者としてはアップルだろうがグーグルだろうが、同じゲームを提供しているので同額の収入が欲しいだろう。Google PlayがApp Storeに「追従」する可能性も否定できない。