新型コロナウイルスの感染者が減少し、様々な規制緩和策が動き出している。とりわけ注目されているのは旅行や観光の規制緩和だ。2022年10月には入国者の制限が撤廃され、延期になっていた「全国旅行支援」も、早ければ今月末にスタートするのではないかとの報道が出ている。
7月上旬のスタート予定が延期
新型コロナウイルスの感染状況は、8月中旬をピークに少しずつ減り始め、このところ1日10万人を切る日が続いている。
政府は9月7日、海外からの入国者数の上限を、これまでに1日2万人から5万人に増やした。12日には、政府が10月をめどに入国者数の制限を撤廃することを検討していることも報じられた。水際対策を大幅に緩和することで、観光や買い物などインバウンド消費の拡大が見込めるという。
さらに関係者が期待しているのが「全国旅行支援」だ。政府は6月17日、全国を対象とした新たな観光需要喚起策「全国旅行支援」を発表した。「県民割」よりも補助額や適用区域が拡大されるもので、7月上旬のスタートが予定されていた。
ところが7月に入って、全国的にオミクロン株の「BA.5」による感染が爆発的に増えて、延期に。代わりに「県民割」を 9 月末まで延長する措置をとってきた。
感染状況の改善がカギ
政府は8月25日、「全国旅行支援」の実施について、引き続き、感染状況の改善が確認できれば、速やかに実施すると発表している。
新たなコロナ対策では、9月中旬以降、オミクロン株に特化したワクチン接種も始まる予定だ。
感染の減少と、ワクチンなどの対策が強化されるなかで、観光・旅行業界が心待ちにしているのが「全国旅行支援」だ。
大手旅行会社はすでに「全国旅行支援」の特設サイトを設けて、対応に余念がない。JTBは利用者の「いつから始まりますか」という質問に、「決定しましたらこちらのページでご案内いたします」と即応体制だ。旅行関係のウェブサイト、Airstairは9月12日、「感染状況が減少傾向にあることから、10 月開催が濃厚」と書いている。
13日朝には共同通信が、早ければ月内に開始する方向で政府が調整に入った、と報じた。9月下旬の3連休明けから当面、年末までを支援対象とする案が浮上しているという。