伐採した木を山に放置しないための工夫 林業のプロが勧める国産材の活用

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身の回りの木材「6~7割が外国産」の現実

   はしらベンチとしての役割を終えて戻った木材は、ウッドデッキや積み木ほか、事務・生活用品に生まれ変わる。薪やウッドチップなど、燃料にする場合もあるそうだ。木を植え、伐採し、製品に変え、使うという循環を促進している。

   浅見代表曰く、木材の用途は建物を支える「柱材」が中心だったが、現代の建築様式では木材が目に見えない形で使われるケースが多く、木に親しみを持たずに育つ人が増えている。すると、木材を暮らしに取り入れる選択肢がなくなったり、質も価格も安いものを選びやすくなったりする、と浅見代表は懸念している。

「今、身の回りで使われている木材は、6~7割が外国産です。木目をプリントし、安価にそれらしく見せる方法もあります。このままでは、国産材・無垢材の出る幕がなくなります」

   特に、木の成長過程で間引かれる「間伐材」は、伐採しても使い道がなく、文字通り「山で腐らせている」ところもあるという。浅見代表の祖父が事業を担っていた時代は、工事・建設現場で鳶職人が使う足場として間伐材を売り、稼ぎにしていたそうだが、今はそれも難しい。

   かといって、間伐材を出さないわけにもいかない。浅見代表と共に、西川材が採れる付近の「虎秀山」へ入り、実際の生育環境を収めたのが画像3だ。このように密に植えると、木は太陽光を浴びるために競い合い、まっすぐに高く伸びる。

   20年ほど経って木々が成長すると、枝葉が重なり合って成長を互いにさまたげるほか、森に太陽光が差し込まなくなって暗くなる。すると木以外の植物が育たず、土地が痩せ、土砂崩れをはじめとした災害の原因にもなる。そこで状態の良い木を残しつつ、一部を間引くのだ。

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