伐採した木を山に放置しないための工夫 林業のプロが勧める国産材の活用

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■連載(第2回)

   東日本旅客鉄道(以下、JR東日本)新幹線統括本部「東京新幹線運輸区」の一角に、無垢材家具を導入し、「木の心地よさを感じられる場」を生み出す様子や、社員の心身や行動、働き方の変化を、J-CASTトレンドが取材・検証し、伝える連載。

   第二回は、本連載において家具提供および搬入・設置を担う、西川バウム(埼玉県飯能市)浅見代表にインタビュー。家具のもととなる埼玉県の特産材「西川材」にフォーカスし、国産材活用の重要性や無垢材の魅力に迫る。

  • 「はしらベンチ」は、無垢材に触れる機会を提供できると同時に、事業者には木材乾燥スペース減にもつながる(画像1)
    「はしらベンチ」は、無垢材に触れる機会を提供できると同時に、事業者には木材乾燥スペース減にもつながる(画像1)
  • 樹齢100年ほどの木。先代が植えた木を受け継ぎ、育て続けている
    樹齢100年ほどの木。先代が植えた木を受け継ぎ、育て続けている
  • 樹齢20年ほどの木々。奥の方はかなり密に植わっており、暗い(画像3)
    樹齢20年ほどの木々。奥の方はかなり密に植わっており、暗い(画像3)
  • JR東日本新幹線統括本部「東京新幹線運輸区」社員による、視察の様子(写真提供:乃村工藝社)
    JR東日本新幹線統括本部「東京新幹線運輸区」社員による、視察の様子(写真提供:乃村工藝社)
  • 「はしらベンチ」は、無垢材に触れる機会を提供できると同時に、事業者には木材乾燥スペース減にもつながる(画像1)
  • 樹齢100年ほどの木。先代が植えた木を受け継ぎ、育て続けている
  • 樹齢20年ほどの木々。奥の方はかなり密に植わっており、暗い(画像3)
  • JR東日本新幹線統括本部「東京新幹線運輸区」社員による、視察の様子(写真提供:乃村工藝社)

町の中で「木材乾燥中」

   西川材ショールームを訪れると、浅見代表が出迎えてくれた。入口横にある木のベンチに座っている(画像1)。実はこれも、同社が手がける国産材活用の一つだ。

『はしらベンチ』と言います。伐採した木を柱材に加工し、こうしてベンチとして使いつつ、半年ほど天然乾燥させているんです」(浅見代表)

   はしらベンチは飯能市をはじめ、埼玉県の公園や図書館、市役所などでレンタル利用されており、半年に一度新しい木材に入れ替わる。酷く汚れたり壊れたりする前に交換されるので、使う側には「いつも、新しくてきれいに見える」のだ。

   そのため防腐処理や、汚れ防止目的の塗装を施さなくともよく、無垢の木本来の色や香り、手触りを楽しめる。記者が西川バウムに足を運ぶにあたり、経由駅であるJR東飯能のホームに降り立った瞬間、木の香りが漂ってきたのを思い出した。構内に、数台のはしらベンチが設置されていたためだった。

   製材後に乾燥させずに出荷すると、木材は内部の水分が蒸発することで収縮し、反ったり、割れたりする。機械を使って強制的に水分を抜けば、短時間で乾燥させられるが、急速な変化によって木に負荷がかかるので、素のままの色や香り、強度が損なわれやすいという。天然乾燥は時間こそかかるが、木の魅力を維持できる。

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