つまみ食いで
MONOQLO(晋遊舎)は「モノ」に徹底的にこだわる情報誌。本号では「100均ショップ」の最新事情や、炊飯器、イヤホンのランキングなどを特集している。
本作が40回目となる坂口コラムは、AIがらみの悩みや疑問を抱える職種や業界を相手に、坂口さんが「勝手にコンサルティング」するという趣向だ。
すでにAI(的なもの)は生活の隅々に浸透している。デジタル化で遅れる我が家でも、リビングのエアコンが天気予報やら健康情報やらをマイペースでつぶやく。それがテレビなどでの言いぶりとは少し違っていて、なんだかユニークなのだ。
「きょうの天気は雨、ときどき止む」「きょうの天気は猛暑です」「きょうは雨のち大雨、嵐です」という感じである。
いわば、こうした「おせっかい」を詰め込んで固めたものがスマートウォッチなのかもしれない。アップル製をそろって付けている知人夫婦によると、健康管理に使えることは知っていても、多機能すぎて使いこなすには至っていないという。
インターネットが普及したときもそうだったが、AIをつまみ食いすることで人生はたぶん豊かになる。でも、食べ過ぎて支配されるのもイヤ。腹八分が難しい。
冨永 格