「iPhone 14」シリーズの発表が2022年9月7日(米国時間)に迫る中、中国では既に、偽iPhone 14が市場に出回っているという。
もはや「風物詩」
偽iPhone14の存在は中国のSNS「ウェイボ」やYouTubeで明らかになっており、8月下旬から中国で出回っているようだ。
YouTubeでは、プレミアムモデル「Pro Max」の偽物2機種が紹介されている。メーカーは別で、色も微妙に違う。これまでのリークを基に制作したのか、「大型化されたリアカメラ」、「パンチホール型のノッチ」を搭載している。少なくとも見た目は本物のiPhoneに近い。アクセサリーも同梱され、製品を入れる箱にバーコードラベルが貼られるなど、本物に近づけている。
ただし偽iPhone 14のOSはアンドロイドで、その正体は「iPhoneの外観を帯びたアンドロイドスマホ」だ。
これらの偽スマホが売られている場所や価格は、明らかになっていない。だが、iPhone 14シリーズの発表後に「中古品」「セール品」などとして、ECなどに並ぶ可能性がある。
人気ブランドのiPhoneの偽物が出るのはもはや風物詩のようなものだが、人口14億人の中国では、リテラシー格差も大きい。現地メディアは「お年寄りや子どもが、だまされる可能性がある。自分は大丈夫でも、周囲の人に注意を呼び掛けて」と注意喚起している。
浦上早苗
経済ジャーナリスト、法政大学MBA兼任教員。福岡市出身。近著に「新型コロナ VS 中国14億人」(小学館新書)。「中国」は大きすぎて、何をどう切り取っても「一面しか書いてない」と言われますが、そもそも一人で全俯瞰できる代物ではないのは重々承知の上で、中国と接点のある人たちが「ああ、分かる」と共感できるような「一面」「一片」を集めるよう心がけています。
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