「この道で間違ってない」
スペース終了後の3人に、話を振り返ってもらった。ぱぱぬいさんは、作リエを「自身の経験を『人に伝える』場」と捉え、これまでの経歴や制作物などを記憶、資料などを基に振り返ったことが大きな収穫だったという。
「制作物と同じように、自分自身もアウトプットしていく行為が、結果的に自身への肯定というか『この道で間違ってないぞ!』って再確認できる機会になったように思います」
山下さんも「自分自身の歩んでいる道も間違いではないと思った」そうだ。いわゆる「オシャレなクリエイター」ではないが、「それぞれ『なんとか生きてますし、今の人生それなりに楽しいです』が伝わった」。特にゲストの二人が「クリエイティブの柱(制作で一番大事にしている軸)」にしていることが心に刺さり、考えを取り入れていこうと思ったという。
ナカシーさんは、「フィギュアが好き」という気持ちが軸になっていると語った。それが揺らぐようなことがあれば、「モノづくりをやめた方がいい」。折れそうになったら無理をせずに一度折れて、修復するのがよいと考えている。どれほど好きなことでも、心身の健康には代えられないからだ。
「仕事のことでもメンタルのことでも、誰かに話す、聞いてもらうことが何よりも創作活動においてケアになると思う。頑張れなさそうなときは、人を頼る精神が重要」
ぱぱぬいさんは「個人」と「仕事」でそれぞれに異なる軸があり、前者は「知識」で、後者は「無理しない」だ。ナカシーさんと通ずる点がある。クリエイティブは、「この世と心(精神)が安定していること」が大前提であるとして、「自分は、モノづくりに命を賭ける必要は無いと思っている。私が私として生きていく代わりは無いから」と話した。
第5回作リエは、2022年9月7日実施予定。