【作リエイターズアトリエ(通称「作リエ」)】
テレビアニメ「ポプテピピック」のゲームパートを描き、映像制作やイベント主催など、フリーランスでマルチに活躍する山下諒さん。隔週水曜夜、各分野で活躍中のゲストクリエイターや美大生を招いて、「創作」をテーマに、ツイッターの「スペース」や「オンラインセミナー」で語らう企画が「作リエ」だ。
連載では、スペースで出た話題から、エッセンスを抽出してお届けする。
未来のゲストは、今この記事を読んでいるあなたかも?
第4回のゲストは、山下さんと同じ東京造形大学出身の、ナカシーさん、ぱぱぬいさん。テーマは「おしゃれじゃなくてもいい!『やりたいようにやる』モノづくりのススメ」だ。スペースアーカイブはこちらから。
今にして思えば全部、失敗だったかもしれない
ナカシーさんは造形会社・Enku社員で、小さなフィギュアの原型を制作している。ぱぱぬいさんは、フリーランスのデザイナー・動画クリエイターだ。放課後デイサービスなどの施設で、発達障害のある児童たちにイラストの描き方や動画編集を教える仕事もしている。
在学中は、「やりたいことに一直線な3人だった」と山下さん。当時、大学内の風潮として「カッコいい」「かわいい」とされていたものから逸れたモノづくりをしていたと、ぱぱぬいさんは振り返る。
ぱぱぬいさん「誰かが『こういうのが今、おしゃれらしい』とか『美大ではこういう流れだから』って言うことに無理して乗っかるくらいなら、自分の『好き』を貫いた方が良いよね」
ナカシーさん「実際、課題とかで試したことある。そういう(良いとされている)ものに寄せて作ってみると、実力不足の面もあると思うけど、なんかしっくりこない」
山下さん「苦手分野なのに、『みんなが作ってるから』って同じものを作ると、ろくな目に遭わない...。ただ、何事も基礎を学ぶのは大事。ここをおろそかにすると、独りよがりな産物になるし、知識はどこで役立つかわからないから」
三者三様の「好き」を突き詰めてモノづくりに励んだ結果、どうだったか。ナカシーさんは「今にして思えば全部、失敗だったかもしれない。しょっぱいクオリティばかりで」と話す。
ナカシーさん「ただそうやって、学生時代に『0から1を作ってきた』から、今の自分があるとも思う。0から1って、全部失敗でも良いのかなって」
社会人になり、1から2にワンステップ上がるときに初めて、「ちょっと上手くいった」経験ができ、手ごたえを得られたのがよかったそうだ。
ナカシーさん「まあ、今も8割方は失敗してるんだけど(笑)」
ぱぱぬいさん「冷静に考える時間も大事だけど、とりあえずやってみる。無理だったとしても、『できないってことがわかる』わけだから」