新型コロナウイルス感染者の全数把握について、政府は見直すことを明らかにした。当初は「自治体の判断」としていたが、「全国一律で導入」に修正された。具体的スケジュールはまだ確定していない。諸外国では、全数把握を止めている国も少なくないため、コロナの国際的な統計面では、国ごとの感染者数の推移や、他国との比較にも影響が出ている。
陽性者の隔離義務も撤廃
産経新聞は2022年8月2日、「全数把握やめた米国 関心はすでに経済に」と報じている。それによると、米国では対コロナの環境も整い、オンラインで申し込むと、感染を特定する「迅速検査キット」が一家庭に8個ほど無料で配送される。重症化を防ぐワクチンや感染後の治療薬である抗ウイルス薬も無料で手軽に利用できるという。
医療機関で陽性と判明すれば、感染者数としてカウントされるが、検査キットで陽性となっても自宅で休んで治った人はわざわざ国や医療機関に報告しない。
同紙の取材に応じた在米医療ジャーナリストの片瀬ケイさんは、「米国では正確な感染者数が分からない。実際は発表の3倍くらいの感染者がいるかもしれない」としつつ、「国民の関心は今やコロナではなく、インフレや経済に移っている」と語る。
FNNプライムオンラインによると、英国では2月24日にコロナに関する国民への規制を完全撤廃。これにより、陰性証明があるまでの自宅隔離勧告は継続されるものの、陽性者の隔離義務・接触者の追跡も撤廃されている。
感染者数の把握は、自主的または、救急搬送などで行った先の病院で検査を行い、陽性となった人を新規感染者としてカウントしている。簡易キットでの自主検査に関しては報告義務がないため、"実数把握"はできていない状態だという。
日本では、オミクロン株による第7波の感染者が世界のトップクラスということが問題になっている。しかし、すでに感染者数を日本と同じような方法ではカウントしていない国も増えているため、感染者数の国別比較自体が難しくなっている。