感情移入できるレスラーが一番
「これはうまい!」と感心した「切り返し」パフォーマンスがあります。後輩と試合をしたあとに健闘を称えようと思い、握手を求めました。すると、握手と見せかけてチョキのポーズをされ、じゃんけんで負けた絵面になったことです。
言葉がないのに、試合に勝って勝負に負けたような感覚になりました。
このように試合後にマイクパフォーマンスがあるので、プロレスファンはスリーカウントを聞いて試合が終わっても、すぐ席を立つ人は少ないのです。「勝って何を言うのだろう」が、試合と同じくらい重要。
試合後はテンションが上がっているので、その場の感情をうまく言語化できることが大切。言葉で人の心を動かすことができる人は、発信力に長けています。
ただし、マイクを投げるのはNG。マイクは1本8万円くらいしますからね!
人々は試合を通して、リング上と自分の人生を投影する。例えば仕事でミスをして落ち込んでいた時に、リングでやられてもやられても立ち上がる姿の選手に、今の自分の気持ちを乗せたりします。
寿休業している今、感情移入できるレスラーが一番だなと思います。