VRイベント「バーチャルマーケット2022 Summer」(2022年8月13日〜28日)が開催中だ。地元の魅力をアピールするため、自治体がブースを出展することもある。静岡県焼津市は、その一例だ。
「メタバース調査隊Hack2」は、8月19日に同ブースを訪問。VR記者カスマルが市職員らに公開取材を行った。
ミナミマグロの3Dモデルが横たわる
「メタバース調査隊Hack2」とは
メタバース(仮想空間)の魅力を取材する「VR記者カスマル」と、バーチャルBAR「Angel Kiss」店主を務めVRイベントを主催している「草羽エル」のユニット。メタバースにまつわるコンテンツやその面白みを2人で発掘、発信していく。
取材は、焼津市ふるさと納税課の職員4人が対応した。メタバース内では、職員同士ニックネームで呼び合っているという。
公式サイトによると、2021年の焼津漁港(焼津地区・小川地区)の水揚げ金額は、6年連続で全国第1位だ。中でも、マグロやカツオで有名だ。職員の「あべっち」(ニックネーム)さんは「マグロをはじめとした魚の街・焼津ならではのブース」と話す。
ブース外装上部には、巨大なマグロのオブジェクトを設置。そのすぐ下には、「マグロ解体ショー」と書かれた看板が目に入る。
中では、焼津市へのふるさと納税寄付でもらえる返礼品を再現した3Dモデルを手に取れる。刺身のつや、薬味の立体感が食欲をそそる。姉妹都市・岐阜県土岐市で生産される皿に乗せられた、カツオのタタキも見どころだ。
「あべっち」さんが「当ブース一番の見どころ」と語るのは、マグロ解体ショーの展示だ。焼津市の代表的な魚であるミナミマグロの3Dモデルが横たわっている。マグロ包丁を手に取ると和太鼓調のBGMが流れ、マグロをバラバラに切断できる。今回は職員の「あおちゃん」さんが自ら包丁を手に取り、解体ショーを実演した。
バーチャルマーケットに出展した背景を「あおちゃん」さんに聞いた。メタバースでは時間や場所を選ばずに市についてアピールできる。若年層のVRユーザーにもリーチでき、3Dモデルで具体的な地域産品の魅力を伝えられる。こうした点から「実は地方自治体とメタバースは相性がいいのでは」と考えたとのことだ。