岸田首相「同志少女よ敵を撃て」を読む 夏休みは読書、そしてゴルフ

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   岸田文雄首相が2022年8月15日午後から、6日間の夏休みに入った。歴代の首相は夏休みをとることが慣例となっている。2泊3日から1週間ぐらいのケースが多い。家族と首都圏のホテルや旅館、軽井沢の別荘などで過ごし、ゴルフが定番だ。

  • 夏休みは読書の絶好の機会
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少女が狙撃兵に

   首相は夏休み直前に東京・八重洲の書店に立ち寄り、約10冊の本を購入した。その中には、今年の本屋大賞を受賞した『同志少女よ敵を撃て』(逢坂冬馬著、早川書房)も含まれている。ウクライナ戦争とも関連する話題の一冊だ。

   『同志少女よ敵を撃て』は、なぜ旧ソ連だけが、第2次世界大戦で多くの女性兵士を前線に動員したのか、ということをテーマにした小説だ。独ソ戦で、独軍に母親を殺された少女が復讐のため狙撃兵になる、というストーリーだ。

   2021年8月、未発表のミステリーを対象とするアガサ・クリスティー大賞を受賞。11月17日に単行本として発売されると、1週間で5万部を突破し、大手書店の文芸書ベストセラーのトップに躍り出た。

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   J-CASTトレンドでは21年12月11日、『同志少女よ、敵を撃て』が快進撃 発売直後にベストセラートップに」と紹介した。

   その後も快進撃は止まらず、22年4月6日には全国の書店員が「いちばん売りたい本」を投票で選ぶ 第19回本屋大賞に選ばれた。この段階で37万部が売れていた。2月末にロシアのウクライナ侵攻が始まったことで、小説の内容が一段とリアルになっていた。

「家飲み」のワイン本も

   各紙の報道によると、このほか岸田首相が購入した本で、書物が判明しているのは、『歴史に残る外交三賢人 ビスマルク、タレーラン、ドゴール』(伊藤貫著、中央公論新社)、『フランクリン・ローズヴェルト 大恐慌と大戦に挑んだ指導者』(佐藤千登勢著、中央公論新社)、『サピエンス全史』(ユヴァル・ノア・ハラリ著、河出書房新社)、『「家飲み」で身につける 語れるワイン」(渡辺順子著、日本経済新聞出版)などだ。

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   岸田首相は、最近の首相の中では読書家として知られている。日経新聞によると、愛読書は、ドストエフスキー『罪と罰』、吉川英治『宮本武蔵』、陸奥宗光『蹇々録』(けんけんろく』だという。

   『蹇々録』は、明治時代の外務大臣陸奥宗光の著。東学党の乱から三国干渉までの外交記録だ。1895(明治28)年成立。機密性の高い外交文書をもとにしているため、長く非公開とされ、1929年に初めて公刊された。明治外交史上の第一級史料だという。今では、岩波文庫や中公クラシックスで読むことができる。

菅義偉前首相は夏休みなし

   これまでの多くの首相と同じく、岸田首相も16日は茨城県のゴルフ場で、裕子夫人ら家族や秘書官とともに、1年半ぶりのプレーを楽しんだ。

   朝日新聞によると、小泉純一郎元首相は5年5か月の在任期間中、最長約2週間の夏休みを取った。最初の夏休みは箱根で過ごし、当時、大学生だった次男の進次郎君(のちの環境相)とキャッチボールする姿を報道陣に公開するなどして話題になった。

   一方、麻生太郎元首相は、夏休み返上で衆院選を戦ったが大敗し、政権を去った。民主党政権では、菅直人元首相の6日間が最長だった。

   安倍晋三元首相は約7年8か月に及んだ第2次政権で、7~8月は2週間程度の夏休みを取ることが多かった。しかし、コロナ対応や病院での検診などが重なった20年は、長期休暇はなかった。

   菅義偉前首相も昨夏は忙しかった。東京五輪に新型コロナ対応が重なり、総裁選も控えていたことなどから夏休みは取らなかった。

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