第104回全国高等学校野球選手権大会もいよいよ、ベスト8が出そろった。
甲子園では、吹奏楽部による応援も楽しみのひとつだ。演奏される楽曲の中には、地元で愛され続ける「伝統曲」や、ご当地歌手の曲を使った地域愛を感じさせるものも多い。
北海道「北の国から」秋田はジャズの名曲
夏の全国高校野球大会は、新型コロナウイルスの流行により2020年は中止。21年大会では感染対策の観点からに当初観客数の制限だったものが、大会途中で入場不可に切り替わっていた。
3年ぶりに復活した、ブラスバンドの音色がアルプススタンドから響く――。定番となった懐メロソングから最新ヒット曲に加えて、その土地にゆかりのある曲もある。
わかりやすい代表曲といえば、次の2つだろう。
北海道から出場する高校が伝統的に演奏してきた、さだまさしさん作曲「北の国から」(1982年)だ。北海道を舞台にした同名タイトルの大ヒットドラマシリーズのテーマ曲。今年も、北北海道代表・旭川大学高校の吹奏楽部が演奏した。一方、沖縄県の「ハイサイおじさん」(69年)も外せない。沖縄出身の伝説的ミュージシャン・喜納昌吉さんが生み出した曲だ。
また、秋田県代表はジャズの名曲「タイガーラグ」がおなじみとなっている。朝日新聞の2018年6月27日付記事によると、1970年に秋田商業高校が演奏したのがキッカケで90年代後半に広まったものだという。
大阪桐蔭高校吹奏楽部がスペシャルセッション
地域出身歌手の曲を披露し、ツイッター上で話題になった高校もある。今回ベスト8入りした近江高校(滋賀県)と、大阪桐蔭高校だ。
近江高校は滋賀県出身の歌手、西川貴教さんのソロプロジェクト「T.M.Revolution」の「White Breath」(1998年)、「HIGH PRESSURE」(97年)、「HOT LIMIT」(99年)の3曲を披露。これがツイッター上で大反響を呼んだ。J-CASTニュースの3月30日付け記事によると、今春のセンバツ大会で急きょ披露、話題になったようだ。
大阪桐蔭高校は、大阪府と兵庫県出身のメンバーで構成された「ジャニーズWEST」の「ええじゃないか」(2014年)、「SOUL2SOUL」(22年)を披露した。前者はデビュー曲、後者は8月3日に発売されたばかりのシングルCDの収録曲だ。
「SOUL2SOUL」はジャニーズWESTと大阪桐蔭高校吹奏楽部のスペシャルセッションとして、発売前の7月12日にYouTubeプレミア公開をしていた。これにファンが反応、ツイッター上では「聞けてうれしい」「ありがとうございます」「試合も勝ち進んでほしい」と大喜びの様子が見られた。