台風が日本近海でも多発
これらの新しい予報や気象用語の多くは、地球温暖化と無縁ではないとされている。
『人に寄り添う防災』 (集英社新書)によると、台風に関しては、温暖化の関連で2つの特異現象が起きている。
一つは、勢力の巨大化。南方の洋上で900ヘクトパスカルを切る強大な台風が頻発するようになった。気象庁は将来、中心気圧が850ヘクトパスカルを切るような史上最強の台風が登場することも予想しているという。
もう一つの特徴は、以前よりも日本の近海、高緯度で出現する台風が増えていること。温暖化の影響で日本列島近海の海水温が高くなっているためだ。1951年から2015年までの台風の平均発生緯度は北緯16度。台湾のはるか南だったが、最近は八丈島近辺(北緯33度)で発生したケースもあるという。
今回の台風8号は、北緯25度30分で誕生した。那覇市は北緯26度12分なので、緯度があまり違わない。発生から3日後には、本州に上陸した。
日本近海発生型の台風は、すぐに来襲してくるので、早めに察知し、防御策を講じる必要がある。そのため、「台風に発達する熱帯低気圧の予報」の重要性が高まっている。