ウクライナ戦争で世界の構造が変わった 「第3のグループ」に存在感

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「中立」が32%

   岸田文雄首相は常に、同盟国と共に、「自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的な価値を守り抜く覚悟」を強調している。日本人の多くも、欧米との連携を基調に、「欧米vs中ロ」という「2極」で国際情勢を判断することに慣れている。

   しかし、日本の学者の中にも、そうした見方に対し、距離を置く人が出始めている。

   神奈川大学経済学部教授の的場昭弘氏は、6月24日の東洋経済オンラインで、日欧米以外の国々の動向にも注意するよう提起した。

「今回のロシアのウクライナ侵攻に対して、意外と多くの国々がロシアの方を支援していることに、日本人は気づくべきかもしれない。積極的な支持から消極的な支持とさまざまだが、注目すべきはEUと日本、アメリカ、そしてその関係国を除く多くの国がその中に含まれることだ」

   同氏によれば、アフリカ諸国は、ウクライナへのロシアの侵攻を是認しているわけではない。むしろ非難しているのだが、それは米国のイラク侵攻が許されているのに、ロシアだけがことさら批判されることへの暗黙の抗議でもあり、いわゆる国連のダブルスタンダードへの批判だという。

   6月28日の日経新聞では、同紙コメンテーターの秋田浩之氏が、「そして3極に割れた世界」との見方を長文の論考で提示した。

   同氏によれば、世界の人口比で見ると、ロシアのウクライナ侵略を非難したり、制裁したりしている国々は、西側諸国を中心に36%に過ぎない。32%は中立を決め込む国々、残る32%はロシアの主張を理解するか、支持する国々だという。

   「バイデン大統領をはじめとする西側のリーダーは、世界が対ロシアで結束してると主張する。しかし、実態は逆なのだ」「日本としてはまず、旧秩序に慣れ切った頭を切り替えることが第一歩になる」と書いていた。

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