二者択一が問題
岸田文雄首相は7月31日、「今後、時期もしっかり見極めながら、変異の可能性なども判断した上で、感染症法上2類として規定される項目について丁寧に検討していく」と語った。それが引き金になり、このところ「見直し論」に拍車がかかっている。
特徴的なのは、単純に現在の「2類」から「5類」に変える、というのではなく、過渡的な方策を望む声が多いことだ。
先の「カンテレ『報道ランナー』」では、発熱外来と往診診療を積極的に行っている葛西医院の小林正宜院長が、「段階的に"手厚い"5類への移行が現実的」との見方を示している。
8月1日のTBS「Nスタ」もこの問題を取り上げた。井上貴博キャスターは、2類か5類か、という二者択一ではなくて、「例えば治療費国費負担を残すなどカスタマイズしながら、ウイルスの変異に合わせてルールを変えていく議論をするのは、当然のことにも感じますがどう感じますか?」と国際医療福祉大学の松本哲哉教授に聞いた。
松本教授は、次のように答えた。
「今も2類というルールに縛られて、かなり負担が大きくなっています。その部分は軽減した方がもちろんいいですし、多くの人たちが指定医療機関だけしか受診できないというのも、5類にすれば解決するわけです。一方、お金の面が逆に出てくる。いわゆる2類にしても5類にしても、メリット・デメリットが出てくるのであれば、これに合ったようなルールに変更することが一番望ましいと思います。2類か5類かの2択しかないのが、一番問題なんだろうと思います」