「ナメクジ騒動」並み食の不安は北京でも 賞味期限改ざん、真っ黒な油

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コロナ禍と原材料高騰で収益のプレッシャー重く

   実は記者が潜入した店舗の1つは、今年3月に賞味期限の改ざんで当局から5万元(約100万円)の罰金を科されていた。にもかかわらず不正が続いており、食の安全・安心を巡る問題が後を絶たない中国でもさすがに衝撃が走っている。

   ピザハットを運営するヤム・チャイナは、米ヤム・ブランズから2016年に独立し、中国でKFCや火鍋チェーンの小肥羊を運営する巨大飲食チェーンだ。ピザハットは、まだ中国の飲食業が未成熟だった1990年に北京に1号店をオープンし、2022年3月末時点で中国本土600以上の都市に2600店以上を展開している。

   ただ、コロナ禍と原材料価格高騰の逆風で最近の経営は厳しく、ヤム・チャイナの2022年1-3月期の純利益は前年同期比56%減少し、1億200万ドル(約140億円)に落ち込んだ。

   新京報はヤム・チャイナの元管理職の、「会社の食品安全に関するルールは非常に厳しいが、店長は同時にコストのプレッシャーにもさらされている」との声を伝え、廃棄でコストが増え赤字に陥ることを危惧した店舗責任者が、ジレンマの末に不正を行ったのではとの見方を伝えた。

【連載】浦上早苗の「試験に出ない中国事情」

浦上早苗
経済ジャーナリスト、法政大学MBA兼任教員。福岡市出身。近著に「新型コロナ VS 中国14億人」(小学館新書)。「中国」は大きすぎて、何をどう切り取っても「一面しか書いてない」と言われますが、そもそも一人で全俯瞰できる代物ではないのは重々承知の上で、中国と接点のある人たちが「ああ、分かる」と共感できるような「一面」「一片」を集めるよう心がけています。
Twitter:https://twitter.com/sanadi37
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