コロナ入院・療養者1か月で10倍超 東京は「重症病室」が半分埋まる

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   新型コロナウイルスの感染拡大で、入院・療養者が爆発的に増えている。NHKのまとめによると、2022年7月30日時点で、全国で171万を超えた。国民約72人に1人に相当する。第6波のピーク時の約2倍になっている。

  • 医療のひっ迫が心配だ
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病床使用率も急上昇

   第7波の全国の感染者は、このところ20万人を超える日が多い。第6波は約10万人が最高だったので、ざっと2倍になっている。

   これにともない、入院中や療養中などの人も増えている。7月30日時点で171万4691人。7月1日は、15万人台にとどまっていたので、約1か月で10倍以上になった。最近は毎日10万人前後、増え続けている。コロナ第6波のピーク時は80万人台だった。

   特に心配なのが、病床使用率の上昇だ。7月27日現在、全国で48%。7月6日段階では15%だったが、13日が25%、20日が37%とうなぎのぼり。こちらも急上昇が続いている。

   病床使用率の全国データは、毎週水曜日時点の数字が、毎週金曜日の夜以降に厚生労働省から発表されている。リアルタイムの数値とはタイムラグがある。

   第6波では、ピーク時が56.9%だった。第7波は高齢者への3回目のワクチン接種が進んでいることから、第6波よりも入院者数が抑えられるのではないかとも言われていたが、見通しが外れつつある。

重症者ピークは感染ピークから2~3週間遅れ

   このところ心配されているのが、重症者数の増加だ。7月31日は、全国で427人。こちらも7月に入ってから急上昇中。第6波のピークは1日で1500人台、デルタ株の昨夏は2000人を超えていたので、まだかなり下回っているが、重症者は、感染ピークから2~3週間遅れてピークになることが分かっている。

   「重症者対応のベッド数に占める重症者数」の割合もじわじわ上昇している。全国平均では24%。まだ余裕があるが、東京都では7月27日現在、1007床のうち、すでに510床が埋まり、使用率は51%に達している。沖縄県は39%、大阪府は37%。京都府や奈良県も31%に達している。

沖縄は限界状況

   都道府県別で特に状況が厳しいのは沖縄だ。琉球新報によると、沖縄県対策本部では約370人の職員が、陽性者の入院調整や、3万人を超える自宅療養者の健康観察などの対応に追われ、連日深夜まで残業が続いている。

   重点医療機関が診療制限を続けている影響で、県内の高齢者福祉施設などで感染した利用者は、施設内療養を余儀なくされている。患者数の増加に対応が追い付かず、「受診が必要な高齢者などに訪問看護を割り当てられないほど、厳しい状態」だという。

   そんな中、医療従事者らは、精神的にも追い詰められているという。防護服を何重にも着込む過酷な環境の中、欠員を補うため業務の負担が増える一方、診療制限などで給与が規定通り払われるか不安も抱える。医療従事者の一人は同紙の取材に、「第7波の医療はこれまでにない、多くの負担がのしかかった自己犠牲の上に成り立っている。いつまで我慢すればいいのか、終わりのない不安・不満が爆発寸前になっている」と過酷さを吐露している。

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