超ハードな日帰り旅を 5つの過酷ルール、謎キャラと観光する「旅マン」

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【明日のベストセラー(64)】

「気分に合わせて音楽のプレイリストを選ぶように、漫画も気分に合わせて楽しんでほしい」

   漫画のクチコミサービス「マンバ」(東京都港区)が、今この時期に読むのにピッタリな作品を紹介する「明日のベストセラー」。 7月は「夏休みに読みたい旅行・異国マンガ」というテーマでピックアップする。

  • 「旅マン」
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「観光魔人」と戦......わない

   第64回は、ある日突然、組織によって「旅のスペシャリスト」へと改造されてしまい、5つのルールのもと毎週1回、日帰り旅行をしなくてはならなくなった男の旅行記「旅マン」(著・ほりのぶゆき)。本作は、1999~2000年にかけて「週刊ビッグコミックスピリッツ」にて連載。執筆のため当時、著者自身も毎週旅をしていたという作品だ。

   主人公の旅マンは、全国の有名な景勝地から、石碑しか残っていない拍子抜けの史跡、B級ローカル観光施設まで巡り歩くが、なぜかいつもそこには「観光魔人」が現れる。特に戦うでもなく2人で観光を楽しみ、その名所について率直に感想を語り合うところがほのぼのとしており、楽しい。「特急以上の速度が出る乗り物に乗ってはいけない」、「前回よりも遠い場所へ行かなくてはいけない」というルールのもと、徐々に旅がハードになっていくところが手に汗握る。旅の悲喜こもごもが描かれ、くすりと笑えるところも魅力だが、「旅とは娯楽として観光を楽しむべきか、それとも歴史や偉人に思いを馳せ精神性を重んじるべきか」という旅の命題にも触れられていて、読みごたえがある。第1話はこちら

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