新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。死者や重症者も増え始めた。第6波の時は、感染者の増加から少し遅れて死者や重症者が増えたが、今回も同じような傾向をたどりつつある。1日当たりの感染者数はすでに第6波の約2倍。今後、死者や感染者がさらに増えることが懸念されている。
短期間に急増
NHKのまとめによると、2022年7月26日の感染者は19万6494人。27日はさらに増え、日テレNEWSによると、20万9658人で過去最多となった。
死者も急増している。TBSによると、26日段階で115人。約4か月ぶりに100人を超えた。日テレNEWSによると、重症者は27日昼の段階では311人。増加の幅が日々広がっている。300人を超えるのは4月12日以来となっている。
10日前の7月17日の死者は17人、重症者は129人だった。短期間に急増していることがわかる。
NHKのまとめによると、第6波のピークは、1日当たりの感染者が2月5日の10万4169人、死者は2月22日の322人、重症者は2月26日の1507人。感染者のピークと死者、重症者のピークは2~3週間のズレがあった。
病床使用率もアップ
第7波では、高齢者へのワクチン接種や、治療薬の投与も進んで、死者や重症者が抑えられている、と言われてきた。しかし、1日当たりの死者はすでに第6波ピーク時の約36%に達している。
また、1週間ごとに公表される全国の病床使用率も急増している。NHKによると、7月6日段階は15%にとどまっていたが、13日は25%、20日は37%に上がった。25日段階では、沖縄県の82%を筆頭にすでに50%を超えている県が17県にのぼる。
岸田文雄首相は7月14日の記者会見で、第7波の対応策として、行動制限を行わずにワクチン接種の対象を拡大することなどを表明するにとどめた。しかし、その後、感染者数も死者も重症者も病床使用率も急増している。大きな行動制限を行わない、という政府方針の根拠が、少しずつ揺らいでいる。
産経新聞によると、第6波では病床使用率が週ごとに10ポイント程度悪化し、ピーク時には全国で56.9%となって病床がひっ迫。持病の悪化などで高齢者を中心に多くの死者が出た。