病床使用率が上昇中
一方では、「第6波」よりも軽微な要素も多い。今のところ、重症者数や死者数は大きく下回っている。これは、重症化しやすいとされる高齢者層に3回目のワクチン接種が進んでいること、ワクチンの威力で、感染しても重症化が抑えられていることが大きいとされている。
その結果、病床使用率がまだ低水準にとどまり、先週段階では、医療体制も全国的にはひっ迫していない。そのことが「今のところ、行動規制は考えていない」という政府判断の根拠となっていた。
しかし、1週間ごとに公表される全国の病床使用率は、確実に上昇している。NHKによると、7月6日段階は15%にとどまっていたが、13日は25%に上がった。人口10万人あたりの感染者数が全国1位の沖縄県ではすでに57%。同2位の島根県が37%、同3位の熊本県は53%に達し、いずれも全国平均を大きく上回っている。これらの感染急拡大県のデータは、全国の先行指標ともいえる。
15日の沖縄タイムスによると、沖縄県内の医療提供体制はすでに危機的な状況だという。「コロナ病床と一般病床の双方が逼迫(ひっぱく)し、医療スタッフの欠勤が追い打ちをかける。一部の病院では『医療崩壊』が現実味を帯び始めた」と報じている。石垣市の県立八重山病院では、看護師の欠勤が20~25%にも上るという。
ほかにも滋賀県(24→43%)、和歌山県(19→48%)など、病床使用率がこの1週間で急増している県は少なくない。
すでにすでに重症者はじわじわ増え始めている。6月~7月上旬は二ケタ台だったが、7月14日に100人になり、19日は155人。