米オレゴン州で2022年7月16日に始まった世界陸上。初日にいきなり日本人選手が、男子20キロ競歩で1位と2位を独占した。しかし、東京五輪(21年7~8月)と比べると、選手に与えられる報奨金は、大幅に減額されている。
五輪「金」は2000万円
「スポニチアネックス」によると、今回の優勝報奨金は300万円。2015年から3大会連続で優勝者に1000万円が贈られていたが、今回は大幅にダウンした。前回大会まで、2位は500万円、3位は400万円だったが、今回は2位200万円、3位100万円。こちらも大幅に減額。近年の陸連財政の悪化などによるという。
20キロ競歩で優勝した山西利和選手は、前回のドーハ大会でも優勝しているが、優勝に伴う報奨金は、1000万円から300万円にダウンすることになる。
世界陸上に比べて、桁違いに報奨金が高いのが五輪だ。読売新聞によると、日本陸連は、昨年の東京五輪で金メダルを獲得した選手に2000万円、銀メダルは1000万円、銅メダルは800万円、4~8位入賞者は300~100万円贈ることを決めていた。リオデジャネイロ五輪(2016年)も同額だった。
マラソン1憶円は終了
五輪ではこのほか、日本オリンピック委員会(JOC)からも報奨金が出た。「金」は500万円、「銀」は200万円、「銅」は100万円。
今回、20キロ競歩で2位になった池田向希選手は東京五輪で銀メダル、山西選手は銅メダルだった。国際オリンピック委員会(IOC)と日本陸連の報奨金を積算すると、それぞれ大きな金額になる。五輪ではこのほか、所属企業が特別の報奨金を出すケースもある。
マラソン報奨金はさらに巨額だ。日本陸連は2015年から、マラソンの日本記録更新に1億円のボーナスを授与する制度を導入し、設楽悠太選手が1回、大迫傑選手が2回獲得した。ただし、この制度は、東京五輪のための強化策だったので、すでに終了している。
今回の世界陸上では、日本選手団は新型コロナウイルスの直撃を受けた。とりわけマラソンは、代表6選手のうち、主力の3人が感染して欠場。日本選手団は監督やコーチなどを含めると、19日朝までに計15人が感染するという異常事態に。マラソンに出場できた3選手は、いずれも上位入賞が出来ず、報奨金の対象外だった。