新型コロナウイルスの感染が急拡大している。オミクロン株の変異種「BA.5」によるものだ。すでに第6波のピーク時を超える感染者数になっている県も少なくない。しかし、今のところ「緊急事態宣言」や「まん延防止」など行動制限の動きはない。なぜなのか。
「5つの対策」徹底
「BA.5」の大きな特徴は強い感染力だ。「免疫逃避」という性質を持っており、ワクチン接種や過去の感染などで獲得した免疫をすり抜ける性質があるという。このため、過去のオミクロン株よりも感染力が強く、3回目のワクチンを接種した人でも感染するケースが出ている。
しかしながら、岸田文雄首相は2022年7月14日の記者会見で、行動制限を行わずにワクチン接種の対象を拡大することなどを表明するにとどめた。
ワクチン接種が遅れている10代から30代にも、3回目の接種を呼びかけるとともに、4回目接種の対象を医療従事者や高齢者施設の従事者に広げる方針だ。
同じような考え方は、政府のコロナ対策分科会の尾身茂会長も繰り返しており、ワクチン接種の加速や効果的な換気といった「5つの対策」の徹底を呼び掛けている。