事前察知が難しい
「ローンウルフ」は、日本語では一匹狼と訳される。刑事事件関連では、単独で犯行に及ぶ犯人像を意味する。産経新聞は7月11日、「『ローンウルフ型』犯行、兆候つかめず 安倍氏銃撃」という見出しで報じている。
記事によると、「ローンウルフ」は、テロ組織などと関わりのない個人が、インターネットなどを通じて得たテロ組織の主張などに感化され、過激化。社会に潜在化しているため、予兆がみられないことが特徴だ。
近年、海外で多発しているが、組織との関連性がないため、警察当局が事前に行動を察知するのが難しく、犯行抑止の難しさが指摘されている。
同紙の取材に対し、公共政策調査会の板橋功研究センター長は今回の銃撃事件について、「単独で背後関係もなく、手製の銃を使っている点などから、ローンウルフ型の犯行とみられる」と語っている。
時事通信も9日に配信した記事で、今回の事件について、「ローンウルフ」型だと報じた。「襲撃の兆候を事前に察知する情報がなく、警備は難しかったのではないか」(民間警護会社の関係者)との見方を伝えている。