【作リエイターズアトリエ(通称「作リエ」)】
テレビアニメ「ポプテピピック」のゲームパートを描き、映像制作やイベント主催など、フリーランスでマルチに活躍する山下諒さん。隔週水曜夜、各分野で活躍中のゲストクリエイターや美大生を招いて、「創作」をテーマに、ツイッターの「スペース」や「オンラインセミナー」で語らう企画が「作リエ」だ。
連載では、スペースで出た話題から、エッセンスを抽出してお届けする。
未来のゲストは、今この記事を読んでいるあなたかも?
第一回のゲストは、山下さんと同じ東京造形大学出身の群青さん。テーマは「演劇×映像制作のシナジーとは?」だ。スペースアーカイブはこちらから。
「自分が楽しむこと」をクリエイティブの柱に
群青さんは映像制作会社でCMやプロモーションビデオづくりに携わりながら、趣味でバイク擬人化イラストを描いている。山下さんとは、大学の演劇サークルで知り合ってたびたび共演し、一時期は同じ映像制作会社で働いていた。学生時代の取り組みが、現在の仕事にどう繋がっているのか。
例えば、クライアントから「面白さに振った企画を考えてほしい」と言われたとき、群青さんは「登場人物同士が掛け合いをする」イメージを頭に描く。
群青さん「この人がしゃべり、ちょっと間を空けてツッコむ......とか、『こういう風に演技してほしい』と思い浮かべられるのは、(演劇をやっていたことが)力になっていると感じます」
さらに群青さんは、「仮ナレ」においても演劇経験を生かしているそうだ。「仮ナレ」とは映像制作の過程で、ナレーションやセリフを入れたいと思ったとき、仮で声を吹き込み、それをもとに編集する作業だ。
群青さん「中学から大学まで、9年くらい演技経験があるって言うと、『じゃあ仮ナレお願いします』と指名されることがありますね」
山下さん「自分で仮ナレできると、どういう映像にしたいのか、考えが自分の中でまとまるし、役者さんへの指示もわかりやすく出せるよね。実際に演技して伝えられるし」
「わかる、わかる!」と群青さん。棒読みと比べたら、出来上がりの雰囲気をクライアントに伝えられているのではないかというのだ。
最後の質問。山下さんは「クリエイティブの柱にしていること」を尋ねた。
群青さん「『自分が楽しむ』ですね。中学の頃、演劇の大会前日に当時の部長が『私たちが楽しんで演じていれば、お客さんにも伝わるから楽しんでいこう』と言ってくれたのが、すごく心に残っています」
自分の「好き」や「面白い」、「楽しい」が映像を通じて、見てくれた人に伝わるのが一番よいのでは、と締めくくった。