新型コロナウイルスの感染者数が、全国で急増している。中でも増え方が際立っているのが島根県だ。すでに「第6波」のピーク時を大きく超えており、全国の先行指標になるのではないかと注目されている。
第6波のピーク時の3倍以上に
「島根県は全国に先駆けてBA.5の急増の県になっている。フロントランナー。ひとつ前(BA.1やBA.2)の戦い方を踏襲しても、新しいBA.5に対応できるか分からない」
BSS山陰放送によると、同県の丸山達也知事は2022年7月7日の定例記者会見で、急増するコロナ感染者対策の難しさを訴えた。
同県のコロナ感染者数は今年1~4月段階では100~200人余りで推移していた。しかし、6月下旬から急増。28日に300人を超え、7月2日に424人。5日には753人。7日も595人。オミクロン株による第6波のピーク時の3倍以上に跳ね上がっている。
島根県は人口約66万人。東京都の20分の1程度しかない。したがって、同県の現在の感染者数は、東京都に当てはめると、1万人を大きく超えていることになる。
熊本県、佐賀県などでも急増している。
これまでに経験のない大きな波
テレビ朝日は、島根県の感染症対策室長・田原研司氏に取材している。
それによると、県の遺伝子解析では、5月から6月にかけてBA.5が拡大。6月に入って、37.8%まで増えた。さらに、最新の数字では76.8%がBA.5に置き換わっている。
東京都は「疑い例」で33.4%。島根はその倍以上になっている。同県では、BA.5がリアルタイムでスクリーニングできているので、現在、感染者の大多数がBA.5だということがわかるという。
感染者は、年代別で見ると、18歳以下が最も多いが、高齢者も増加傾向にある。総じて軽症例が多いという。
「6月中旬からの感染拡大は、これまでに経験のない大きな波と受け止めています」と田原氏は語っている。
第7波に入ったと考えられる
感染者数が急増している東京都は7日、専門家会議を開いた。FNNによると、都内の感染状況についての報告があり、6日時点で、新規感染者数の7日間平均が4395人に達し、わずか1週間で倍増したとの分析結果が出された。
その上で、このままのペースで感染が拡大すると、2週間後の7月20日には1万5534人に、4週間後の8月3日には5万4902人にのぼるとの予測値が出され、「急激な感染拡大に直面している」との見方が示された。
これまで、都内で感染者数が最も多かったのは、2月2日の2万1562人。東京iCDC専門家ボードの賀来満夫座長は「第7波に入ったと考えられる」と指摘した。