岸田文雄首相が巨額支援の大盤振る舞いを続けている。ウクライナ支援や途上国への食糧支援、ワクチン確保の支援・・・。中には何兆円という規模のものもある。円安や原油高による物価高騰、低賃金、財政赤字が深刻になっている日本のどこに、そんなにカネが余っているのか。
今後5年間で約8.8兆円
最も巨額なのは、途上国などへのインフラ(社会基盤)投資促進に向けた支援だ。日本として今後5年間で650億ドル(約8.8兆円)以上の拠出を目指す。2022年6月26日、先進7か国(G7)首脳会議が開かれているドイツ南部・エルマウでの演説で明らかにした。
読売新聞によると、これはG7各国による投資促進に向けて発足させた新たな枠組みの一環。G7全体で、政府投資に加えて民間資金も引き出し、27年までに投資総額6000億ドル(約81兆円)を目指すという。中国が巨大経済圏構想「一帯一路」で、途上国支援を拡大していることに対抗する意味合いがあるようだ。
今回のG7で岸田首相は、途上国の食料支援に2億ドルを拠出することも表明した。ロシアによるウクライナ侵攻で、途上国で食糧難が発生しているためで、TBSによると、▽中東、アフリカ諸国への食料支援や▽ウクライナの穀物貯蔵能力の強化などおよそ2億ドル、さらにウクライナと周辺国向けに新たに1億ドルの人道・復旧支援も表明した。