ガラスぶたの鍋に、お玉を入れ、「ふたがズレた状態で火にかける」。何気なくやっていないだろうか。調理器具メーカーの和平フレイズ(新潟県燕市)によると、「ガラスぶたが突然割れる」原因だ。
悪気なく、無意識にやっている間違った使い方のせいで、調理器具の寿命を縮めているかもしれない。鍋にまつわる「避けてほしい使用法」を、同社に取材した。
火力の問題ではない
和平フレイズ・ツイッター担当者によると、「ガラスぶたの鍋を使っていたら、突然割れた」との問い合わせが、年に数件あるという。同社公式サイトのQ&Aページ「Q.ガラスぶたが突然割れてしまいました」には、原因がこう列挙されている。
1、ふたに直火があたっていた
2、使用直後に水をかけるなど急激な温度変化があった
3、落としたりぶつけたなど外的衝撃を受けた
4、細かなキズがあった
5、熱いIHの上に置いた
中でも、「一番危険な使用方法」とされているのが、「お玉を入れたまま、ふた」をして火にかけること。作った後、冷めてしまった汁物を温め直す時などに、ついやっていそうだが、「絶対にお止めください」と厳しい口調で注意喚起がなされている。
画像1のように、お玉を鍋に入れると反対側にふたがずれ、はみ出たガラス部分に直火があたると、割れてしまう恐れがある。
前出の担当者によると、「使い方によるため、『どのくらいの頻度や時間、火を当てたら割れるか』は断言できない」。しかし、「弱火にかけていれば起こらない問題」ではないそうだ。たとえ弱火であっても、見えない火が鍋の外側を回って、ふたに当たってしまう。すると「ガラスの一部のみに炎の熱が加わり、破損の原因になる」。
ただ、IHであれば、話は別だ。鍋の外側を火が回らないため、自ずとふたに直火が当たる可能性もなくなる。上記5で示しているように、ガラスぶたを、熱されたIHの上に置くのはNGだ。