今年のGIは穴狙いに徹するのが筋
カスヨ 今年のGIの流れを考えると、穴狙いに徹する、というのもいいんじゃないかしら。でも、ヒシイグアスの場合はちゃんと勝つ理由があるわ。この馬は今年で6歳だけどまだ14戦しかしていないのね。このフレッシュさはプラス材料よ。これまで2000メートルまでしか走っていないので距離不安も耳にするけれど、5歳春に中山金杯と中山記念を勝って、秋はエフフォーリア、コントレイル、グランアレグリアの3強で決まった天皇賞・秋に出走して5着と掲示板を確保してるわ。暮れの香港カップではラヴズオンリーユーとアタマ差の2着と好走してるし。今年初戦の大阪杯でも4着とGIでも好走を見せているので、おそらく距離ももちそうだわね。父ハーツクライは4歳時に宝塚記念に出走して2着。産駒も2019年にリスグラシューが勝って、2014年はカレンミロティックが2着、2019年にスワーヴリチャードが3着と相性は悪くないわね。鞍上のダミアン・レーン騎手も今週で短期免許が終了するので、今回の訪日最後のGI騎乗に気合は入っているはずよ。ようやく本格化してきたこの馬が、ここで初のGI制覇を果たすはずよ。
カス丸 ふーん、強いのは間違いないけど勝つまで行くかどうかだじぇい。2200メートルが初めてというのも不安きゃすう。前走調子を上げてきた馬もねらい目だけど、爺もカスヨさんも対抗〇にはともにポタジェを上げてるじぇい。大阪杯勝利を見たせいきゃすう?
ガジュマル爺 ポタジェは前走15戦目の大阪杯で8番人気ながら、重賞初勝利がGIレースという波乱を演じたんじゃ。ただ、それまでも5勝2着4回3着2回で、掲示板(5着以内)を外したのは昨年のGI天皇賞・秋の6着だけという堅実な走りをみせておった点を見逃してはいかんな。吉田隼人騎手が「もう一押し」を引き出したわけじゃ。阪神2000メートルの舞台が、2勝2着1回とすべて連対という好相性だったこともあるじゃろう。とはいえ、エフフォーリアやレイパパレ、アカイイトといったGI馬を破っての優勝は高く評価していいはずじゃ。その大阪杯からの、ゆったりしたローテーション、先行して好位につけるレース運びと1800~2200メートルの中距離戦ばかりを使われてきたこともプラスじゃ。好調維持で、もう一丁!に期待、というわけじゃな。
カスヨ ポタジェは今度のコースと相性がいいのよ。阪神内回りコースは4回走ってGIを含む3勝をあげていてパーフェクト連対。そのうち3回は上がり最速をマークしているわ。トップスピードにのるのが早くて速い末脚が使える内回りコースはポタジェにとっては絶好の舞台なはずよ。前走でGIを勝っているけれど上位人気にならなそうだし、人気薄で波乱の立役者になりそうね。
カス丸 へえー、珍しくべた褒めきゃすう。カスヨさんの単穴▲はウインマリリンとこれまた穴っぽいところときたじぇい。
カス丸 ウインマリリンは今回、栗東滞在を選択したわ。これまで関西圏のレースでは人気を裏切ることが多かったのは輸送を苦にするタイプだからだと思うわね。美浦Wコースの1週前追い切りは馬なりで6ハロン80秒1、最後の1ハロンが11秒0と抜群の動きだったわ。最終追い切りも栗東のCWコースを軽快に駆け抜けて状態はよさそうよ。直線の短い中山コースでGIIを2勝しているように直線の短いコース適性は高いと思われるわ。今回はまったく人気にならなそうだが、もともと実力が高いこの馬の復活劇が見られるかもしれないわよ。
カス丸 あとは気になる伏兵だじぇい。
カスヨ 私は一頭だけあげるわ。キングオブコージよ。GIIを2勝した実力馬よ。目黒記念は2500メートル、AJCCは2200メートルと非根幹距離に強い1頭ね。今回はパンサラッサ、タイトルホルダー、ステイフーリッシュ、アフリカンゴールドなど前に行く馬が多く先行勢が激しくやりあう可能性もあるので、この馬にとっては絶好の展開になるかもしれないわよ。前走はスタート前にリズムを崩していたようなので、リズムを崩さずレースに望めれば馬券に絡む可能性が高いとみてるわ。
ガジュマル爺 わしは2頭じぇな。一頭目は、オーソリティじゃ。3歳クラシックには縁がなかったものの、中長距離での活躍を期待された馬じゃ。2000~2500メートルの距離では10戦して5勝(2着1回3着2回)。昨年のGIジャパンカップ(東京2400メートル)では3冠馬、コントレイルの2着と踏ん張るなど、レースぶりが安定してきた。前走(GIドバイシーマクラシック、UAEメイダン2410メートル。3着)、前々走(GIIIネオムターフカップ、サウジアラビアキングアブドゥルアジーズ2100メートル。優勝)では海外競馬を経験。そこからのローテーションが気になるが、積み重ねてきた経験が生きてくれば、上位を脅かす存在になりそうじゃわい。 もう一頭が、グロリアムンディじゃ。超大穴の1頭じゃな。昨年からの近5戦はダートで4連勝2着1回とパーフェクト連対。すっかりダート馬のイメージがついたが、芝コースはデビュー戦(2020年10月、京都2000メートル)で2着に1馬身2分の1差をつけて快勝。続く京都2歳ステークス(GIII、京都2000メートル。4着。勝ち馬はワンダフルタウン)、3走目の若駒ステークス(リステッド、中京2000メートル。3着。勝ち馬はウインアグライア)でも1番人気に推されるなど素質は高く買われていた。ダート替わりの2勝目まで時間がかかったとはいえ、その芝のレースでも掲示板(5着以内)を外したのは2回(いずれも6着)と堅実に走るタイプ。前走のアンタレスステークス(GIII、中京ダ1800メートル)は4コーナーから直線に入って先頭に立ったところに勝ち馬のダートの猛者、オメガパフュームに差されて2着となったが、好位につけられる脚はプラス。勝ちパターンを身につけた今であれば、荒れた馬場なら出番はめぐってくるはずじゃ。鞍上は福永祐一騎手。名手の腕に期待したいのう。
カス丸 ここはセオリーどおり、本命◎は先行勢のなかから選ぶじぇい。天気予報は雨が少し降る程度だから、馬場状態はやや重か良馬場きゃすう。となると、タイトルホルダーが止まらないんじゃないかと思うじぇい。でも春の天皇賞を勝った馬は宝塚記念では苦戦してるきゃすう。見えない疲れがどこかにあるじぇい。となると、天皇賞を大差で負けたディープボンドが早め仕掛けで逆転、念願のGIタイトルを手にするきゃすう。