2か月で走行距離5000キロの食材探し
ソラアオのオーナーパティシエである福本大二氏に、取材した。祖父母が農家だったこともあり、幼少期には祖父母が作ったコメや野菜を食べていた。家を出て、外で買ったコメの味の違いに驚き、農家への尊敬の念を深めた。この体験から、自分の生まれ故郷・京都で、農家の価値を高めるような活動をしたいと常々思っていたという。
福本氏は車で、食材の産地を巡る。その走行距離は、約2か月で5000キロにも及ぶ。京都で栽培されているバナナや栗など、知られざる食材を求めて足を運ぶ。こうした食材が、ソラアオとのコラボを通じてそのおいしさやブランドが認知され、販売価格が上がった事例もある。
現在、農作物の価格はサイズで決まることが多いという。「サイズや重量だけでなく、手間暇かけておいしいものを作れば評価される世の中になってほしい」と福本氏。
「注目を集めることで、継承者問題の一助にもなれば。評価されるべき京都の食材を、これからも探して応援していきたい」
日本各地には、後継者不在で消えゆく食材がまだまだあるのではないか。福本氏はチーズケーキを通して、持続可能な農業を応援していく。
(ライター・永井 玲子)