「リベンジ離婚」が発生する
各地区が離婚申請の予約を絞っているのは、感染対策に加え、ロックダウン前に予約が入っていた離婚申請への対応を優先しているからのようだ。
2か月のロックダウン中、市民は厳しい外出制限を強いられ、生活必需品の調達も共同購入による配達に頼る生活だった。徐匯区は3月7日から5月31日まで結婚・婚姻の手続きを停止しており、他の地区も似たり寄ったりとなっている。4月は上海市内で車が1台も売れなかったが、同じように離婚も1件もなかった。
中国では武漢封鎖が解除された2020年春以降、停滞していた消費が爆発的に回復し、「リベンジ消費」と呼ばれた。今回の上海ロックダウンでは、3~5月に離婚したくても窓口が開いておらず申請できなかった人たちによる「リベンジ離婚」が、今後間違いなく発生すると言われている。
中国は感情に流された離婚を防ぐため、離婚申請から1か月の冷却期間を置き、それでも意志が変わらなければ正式手続きに入る「離婚冷静期」制度を、昨年1月に導入した。上海市の役所には2~3月に離婚申請を行い、ロックダウン中に冷静期が満了した人から「封鎖期間の日数は冷静期にカウントされるのか」の問い合わせも多く、役所は対応に追われているという。