埼玉県で設置進む
自治体でも同様の動きがある。埼玉県の県議会サイトに掲載されている「2月定例会」(2022年)の答弁内容によると、議会議員の西山淳次氏は、疾患や手術の影響で尿もれパッドを必要とする男性が一定数存在すると言及。県有施設の男性用個室トイレへのボックス設置状況について質問した。
これに対し、大野元裕知事は、県の施設の多目的トイレへのボックスの設置を最優先に進めると回答した。男性用個室トイレについても、スペースの広さといった施設の実情を考慮しつつ、個室のうち少なくとも1か所にはボックスを設置できるよう取り組みたいとの考えを示している。
その後も県内の複数市で設置が進んでいる。八潮市公式サイトの5月20日付発表によると、市庁舎や小中学校の職員用トイレなど、市内公共施設33か所にボックスを設置。蕨市(6月8日付発表)では、仮設庁舎や各公民館など17施設の男性トイレにサニタリーボックスを導入した。
5月26日付東京新聞(電子版)記事によると、さいたま市でも全10区役所やスポーツ施設、文化施設の男性トイレにボックスを設置したという。
自治体が推進する例は埼玉県に限らない。福岡県古賀市は、市役所や市民体育館など全50か所の市内公共施設の男性トイレ(個室)にボックスを設置すると4月25日に発表した。
熊本県の6月13日付発表によると、こちらでも膀胱がん患者などに向け、県内の男性用トイレへのサニタリーボックス設置を働きかけている。実際に、県庁本庁舎の男性用多機能トイレなどに設置しているという。
そのほか、愛媛新聞(電子版)の5月27日付記事によると、愛媛県松山市では同日から市役所本館や庁舎の男性個室トイレへのボックス設置を開始している。