企業アカウントは「意外に嫌われている」 炎上も経験「堀商店」の運用術

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リターンよりリスク大きい

   以来、成瀬さんは何度もツイートをバズらせ、売り上げにも貢献してきた。

   例えば21年7月に、「うんち型」カステラを焼ける家電おもちゃ「わっしょい うんち焼き」を紹介した際、商品名と価格、「おい...時代が動くぞ...!!!」の一言で、7万「いいね」を獲得した。

   通常だと、「月に50個も販売できれば、よく売れた方」。ツイートがバズった直後は、1日に100~200個の注文が入り、供給が間に合わなくなるまでに。メーカーからは「作ったものを、たくさんの人に知ってもらえてうれしい」と喜ばれた。

   一方、「プチ炎上」も起きた。いつか、幼稚園や子ども会の役員になるかもしれない「女子」を顧客に見立て、「堀商店が力になるから覚えておいてほしい。おじさんが約束する」と、21年10月に投稿。多くは「覚えておきます!」「既にお世話になりました」と好意的だったが、「なぜ『女子』向けなのか」との指摘や、「おじさん」表現に不快感を示す声も一部あった。

   成瀬さんは「事実、自分は世間的に『おじさん』と呼ばれる年齢であり、悪意や他意はなかった」。ただ、それを前面に出し過ぎたり、情報の受け手を「女性」「男性」と限定したりするのは望ましくなかったと、反省した。

「常に『このツイートは誰かを不快にしないか』と考えるのが大事ですね。正直、ツイッターはリターンより、リスクの方がはるかに大きいと覚悟しています」

   企業アカウントは「意外に嫌われている」と、成瀬さんは考える。担当者が独特のノリでツイートするのを好まない人が一定数いる、との指摘だ。人間味を適度に出すのはよいが、「会社の名前を借りて人気者になり、チヤホヤされたい」気持ちがにじんだり、アカウントを「私物化」したりしていないか――。

各企業公式ツイッターアカウント担当者(通称:中の人)をJ-CASTトレンド記者が突撃取材。「業務」として日々ツイッター運用に取り組む担当者たちの魅力を紹介する。
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