久保建英と南野拓実に漂う不安 チュニジア戦で見えた「足りないピース」

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「NMD時代」と東京五輪の共通点

   南野や久保は、伊東純也や三笘のように、独力で突破するタイプではない。チュニジア戦のように新しい組み合わせでは能力を発揮しづらい部分があり、それがプレーに影響した。

   もちろん、新しい組み合わせの中でも、南野も久保も森保ジャパンで輝きを見せていた時はある。それは、ワントップにポストプレイヤーがいた時だ。

   南野は森保ジャパン立ち上げ時、本田圭佑・香川真司・岡崎慎司に代わる新ビック3としてNMD(中島翔哉・南野・堂安律)と称賛されていた。この時はワントップのポストプレイヤーである大迫勇也を起点に、そのタレントを発揮していた。

   久保も東京五輪(2021年)では、6試合で3得点1アシストと活躍した。この時のワントップは林大地。五輪後の2022年3月には大迫の代わりに、日本代表に招集されたポストプレイヤーだ。久保は、林を巧みに使いながら、堂安と見事なコンビ―ネーションを見せた。

   6月の4試合、招集メンバーにはポストプレイヤーはいなかった。だが南野も久保も、ポストプレイヤーのワントップがいれば再び輝くことが出来るはず。もしくは、森保監督がチーム戦術を固めれば、南野と久保の特徴も生かされてくるだろう。

   『ラージグループ』やロシアW杯(2018年)からの実績を重んじる森保監督のメンバー選考を考えると、南野は間違いなく当確と言える。一方の久保はリーグ戦で存在感を示せば、当確ラインに入ってくる。南野と久保の真価は、これから発揮される。

(選手敬称略)

石井紘人(いしい・はやと)
ラジオやテレビでスポーツ解説を行う。主に運動生理学の批評を専門とする。著書に『足指をまげるだけで腰痛は治る』(ぴあ)『足ゆび力』(ガイドワークス)など。『TokyoNHK2020』サイトでも一年間に渡り、パラリンピックスポーツの取材を行い、「将棋をスポーツ化した競技『ボッチャ』」などを寄稿。 株式会社ダブルインフィニティ代表取締役でもあり、JFA協力、Jリーグと制作したDVD『審判』、日本サッカー名シーン&ゴール集『Jリーグメモリーズ&アーカイブス』の版元。現在『レフェリー』の販売中。

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