世界遺産の法隆寺が、クラウドファンディング(CF)で支援を募っている。新型コロナウイルス禍の影響で拝観者数が減り、財政難に陥ったためだ。集めたお金は、境内設備や宝物類の維持管理に使う。
目標金額は2000万円とのこと。寺や神社によるCFの活用、今の時代ではもはや珍しくないようだ。
対馬の神社が2700万円集める
法隆寺は、2022年6月15日からCFサイト「READYFOR」上で支援を募っている。同サイトで「寺」か「神社」と検索すると、神社仏閣が主体となっての支援募集が数十件見つかる。CFの理由や目的はさまざまだ。
国宝・十一面観音立像を所有する聖林寺(奈良県桜井市)は、2020年10月にCFを行った。十一面観音を祀る「観音堂」が老朽化し、改修に莫大な費用がかかるため、との説明だ。「第1弾」は同年12月に終了し、1718万2000円を集めた。その後も何度か同じ目的で資金募集を行った。
別のCFサイト「CAMPFIRE」では、長崎県・対馬の「和多都美神社」が20年11月に実施。対馬のシンボルのひとつという「大鳥居」が2020年の台風10号により倒壊し、再建費用を募ったものだ。
同サイト上での説明によると、このCFには対馬をモデルにした人気ビデオゲーム「ゴースト・オブ・ツシマ」のプレイヤーからの支援が多く寄せられたという。目標金額500万円に対し、集まった額は2710万3882円と大幅に上回った。