俳優・木村拓哉さん主演のドラマ「未来への10カウント」(テレビ朝日系)が、いよいよ最終回を迎える。この作品に対して週刊誌からは、打ち切り報道が出た。しかし、直後にテレビ朝日社長が会見で否定している。
木村さん主演ドラマのたびに繰り返される低迷の噂。しかし、これは正しい話なのだろうか――。
世帯視聴率で人気を測るのが...
木村さんが主演を務めるドラマが発表されるたびに登場するのが、タイトルに「低迷」「不調」といった文字が並んだ週刊誌の報道だ。
しかし、数字が取れないはずの木村さん主演ドラマは、後を絶たない。本当に不調なのだろうか。文化社会学、社会情報学を専門にし、ドラマやジャニーズなど、エンタメに詳しいジャーナリスト・松谷創一郎氏に取材した。
松谷氏は放送中のドラマについて、「視聴率が悪いとは、とらえられないです」と話した。「未来への10カウント」は、世帯視聴率を10%前後で推移している状況だ。この数字自体は決して悪いものではないという。一方で、「世帯視聴率で人気を測るというのがナンセンスです」と断じた。
ドラマの視聴方法は大きく変化してきた。多くの人は世帯単位でリアルタイムに視聴せず、Tverや録画などで後から見る。そんな中で「世帯視聴率」がどこまで指標として信用できるのか、と疑問視されているという。
そのため、「週刊誌では世帯視聴率で人気・不人気をわかりやすく報じますが、それが古臭く感じます」とバッサリだ。
「数字」を持っている
週刊誌の報道手法についても一石を投じる。
「古臭いメディアの指標を使って、新しいメディアで数字を稼いでいるというねじれた構図があります」
メディアの過渡期にあるために、このような混乱が生じていると分析した。
実際には、木村さんは、数字を稼げないどころか「数字」を持っているという。一方で、松谷さんの体感として、ジャニーズを批判するような記事は注目を集める。
そのため、前述の指摘に当たるようなことが起きているといい、「木村さんの人気が落ちたというネガティブな記事を書けば、ネット上でPVが稼げる状況です」と、日本全体としてテレビにいまだ依存していると話した。