ユニクロが、人気アニメ「SPY×FAMILY」とコラボしたTシャツを販売中だ。これが、フリマアプリ「メルカリ」上で相次いで転売されている。
「メルカリ」内では、コラボ商品の出品ページに価格高騰について注意を促す文章が表示されているが、転売が止む気配はない。
メルカリとユニクロ運営が「覚書」
「SPY×FAMILY」とコラボした「SPY×FAMILY UT」は2022年6月3日に発売された。全4種で、価格は1500円(税込、以下同)だ。
全国のユニクロ店舗とオンラインストアで販売されているが、「41 YELLOW」という柄は売り切れが目立つ。公式通販サイトに6月6日16時40分ごろにアクセスしたところ、全サイズが「在庫なし」。店舗在庫の検索機能を使って「東京都」を探したところ、105店舗で在庫のある店は見つからなかった。
ユニクロ運営会社のファーストリテイリングは、メルカリと2021年3月17日に「マーケットプレイスの共創に関する覚書」という協定を結んだ。
ファーストリテイリングは「特定の新商品」の発売情報について、メルカリに情報を提供。メルカリアプリ上や公式ブログでは、新商品に関する注意喚起を行う、との内容だ。ユーザーの混乱を回避し、「より安全・安心に取引ができる環境」の構築を目的としている。
メルカリの運営方針について定めた「マーケットプレイスの基本原則」(21年1月27日公開)によると、こうした注意文の表示は「アラート」機能と呼ばれている。商品の需給バランスが崩れたときに、ユーザーが意図せず急騰した価格で商品を購入してしまうなどの混乱が生じる可能性を考慮し、「冷静に購入判断ができるよう情報提供」を行うとのことだ。
「冷静なご判断を」
さて22年6月6日現在、メルカリでは本来1500円の「SPY×FAMILY UT」が2000~4000円で数百件出品されている。「覚書」通り、多くの出品ページでは注意喚起のメッセージが表示されている。
「本商品は、価格が急騰している可能性があります。ブランドサイトをご確認いただき、購入においては冷静なご判断をお願いいたします」
一方「SOLD」と表示され、買い手がついたとわかる「SPY×FAMILY UT」の出品は100件以上存在する。
「転売品」と推測できても、どうしても欲しくて高値を払ってしまう「客」がいる。だから転売がなくならない――。こんな構図が容易に想像できる。