新型コロナウイルスのさらなる規制緩和に向けて、二つの新たな動きが報じられている。一つは入国者の上限を3万人に引き上げる案。もう一つは、GoToトラベル、もしくはそれに代わる新たな観光補助制度をスタートさせる案だ。
既に2万人に引き上げ
政府は2022年6月1日、新型コロナウイルスの水際対策を緩和した。1日当たりの入国者数の上限はこれまでの1万人から2万人に引き上げられている。全員検査は5月末で終わり、米国や中国、韓国など98か国・地域からの来日者は、入国時検査と3日間待機を免除されている。さらに6月10日からは、観光目的の訪日外国人についても、受け入れが再開される。
こうした中で、政府は7月にも、外国人の入国者を3万人に引き上げる案を検討しているとフジテレビなどが報じている。水際作戦の緩和で検査態勢に余裕ができるとの見方があり、今後、実際の検査状況や国内外の感染状況などを見極めて判断する見通しだという。
時事通信は、政府内では「3万人引き上げ」案に加えて「上限撤廃」案も出ており、7月1日実施をにらみ、感染状況を見ながら検討を進める、という。
名称変更か
「GoToトラベル」の再開に向けた動きも進んでいる。時事通信によると、政府は7月の再開を軸に検討しているが、月内への前倒しを探る動きもある。感染拡大に柔軟に対応できるよう仕組みを変更し、イメージ刷新へ名称を変える案も検討されているという。
テレ東BIZによると、政府関係者は「イメージのよくないGoToトラベル自体はもう再開しない」。名称や補助内容も刷新する方針だという。その上で、「新たな観光補助制度は、今月後半にスタートさせる」との見通しを示しているという。
観光業界からは、政府としての支援策の再開を求める声が強くあり、再開されれば経済効果も期待できる。テレ東BIZは「岸田政権として、参議院選挙前に、経済の正常化に向けたメッセージとして打ち出す狙いがありそうです」と説明している。
時事通信によると、正式に決まれば、今週中にも「岸田文雄首相が国民向けに説明する見通し」だという。