フリマアプリ「メルカリ」。利用規約では、「転売等の営利を目的とした商品の購入」を禁じている。しかし2022年6月30日付の改定で、この文言が禁止事項から削除される。
ツイッター上の一部では変更の理由について気になっている様子のユーザーがみられる。
「多様な価値観を持った売り手と買い手の自由な取引」
メルカリ利用規約第10条「商品の購入」内の「2.購入意思等」の項目で、
「ユーザーは、購入する意思のない注文、転売等の営利を目的とした商品の購入等、及び弊社の判断でいたずら目的と見受けられる注文を行うことはできません」
と定めている。これが6月30日の改定から
「ユーザーは、購入する意思のない注文等、弊社の判断でいたずら目的と見受けられる注文を行うことはできません」
と変わる。「転売等の営利を目的とした商品の購入等」が削除された。公式サイトによると、2020年7月に同社が設立した「マーケットプレイスのあり方に関する有識者会議」での検討を踏まえての決定という。
J-CASTトレンドはメルカリ広報に取材した。規約変更は5月31日に発表した。
当該部分の削除は、前出の「有識者会議」での議論と、議論を通じて策定した「マーケットプレイスの基本原則」の理念・方針に基づいたものと話す。同社はこの「基本原則」に基づいて事業運営をしている。
「基本原則」では、「多様な価値観を持った人たちが、自由に取引できるマーケットプレイスを創ること」を重要な理念と設定。「多様な価値観を持った売り手と買い手の自由な取引を通じ、需給のマッチングを実現することが大切」と考えているという。
基本原則に反する出品は
全ての取引を野放しとするわけではない。例えば緊急事態において多くの人に必要な品の需給バランスが崩れると、さまざまな影響が出るケース。新型コロナウイルス禍におけるマスクや消毒液がこれにあたると広報は話す。
こうしたケースがあり得ることから、有識者会議での議論を経て、基本原則の「安全であること」「信頼できること」「人道的であること」という方針に反する出品や行為は禁止していると続ける。
ほかに、商品の需給バランスが著しく崩れる場合は「一次流通企業」と連携し、価格急騰を通知する「価格アラート機能」や、発売前後の注意喚起を実施。ユーザーへの情報提供を強化する対応をとっているとした。