10兆円以上の使い道が不透明
NHKによると、新型コロナ対策に当てられた国の予算は「異次元の規模」。流行が本格化した2020年度だけで、総額77兆円。国民1人あたり、61万円という計算になる。東日本大震災の復興予算が、10年あまりの総額で約32兆円であることからも、コロナ予算の突出ぶりがわかる。ワクチン接種、国のマスク配布、GoToイート、感染症の拡大防止から経済対策まで、使い道は多岐にわたる。
コロナ対策では、こうした通常の予算の他に予備費も投入されている。国会審議を経ず政府の裁量で使い道を決められるものだ。日経新聞は22年4月23日、この「コロナ予備費」について調査した記事を公開している。
「政府が新型コロナウイルス対応へ用意した『コロナ予備費』と呼ばれる予算の使い方の不透明感がぬぐえない。国会に使い道を報告した12兆円余りを日本経済新聞が分析すると、最終的な用途を正確に特定できたのは6.5%の8000億円強にとどまった。9割以上は具体的にどう使われたか追いきれない。国会審議を経ず、巨費をずさんに扱う実態が見えてきた」と手厳しい。
12兆円余りをおおまかに分類すると、多いのは医療・検疫体制確保向けの4兆円。次いで地方創生臨時交付金として地方に配られた3.8兆円。公用車や遊具を購入するなど、疑問視される事例もあり、自治体が予備費を何に使ったかまで特定するのは難しい、と指摘している。