新型コロナウイルスの対策で莫大な国家予算が使われているが、その配分や使われ方がずさんではないか、という指摘が相次いでいる。コロナと直接関係がないことに使われていたり、大金を投じて作った施設が、あまり利用されていなかったりするからだ。検証作業も不十分なままになっている。
交付金で「町幹部の公用車購入」
2022年5月30日の参院予算委員会で、立憲民主党の蓮舫氏は、新型コロナウイルス対策を目的にした地方創生臨時交付金の使途について取り上げた。この交付金は、コロナ対策であれば自治体が自由に使える制度設計で、20年度からこれまでに約16兆円が計上されているという。
朝日新聞によると、同氏は「計画や目的に問題があると思う事例」を次々と列挙した。「ハッピーマリッジ応援」「自治体指定のゴミ袋の全世帯配布」「町幹部の公用車購入」「公立学校のトイレ改修」などに同交付金が使われていた。
質疑で、事業計画を審査する内閣府地方創生推進室の担当者は、「なるべく早く感染防止策などの対策を講じられるようにスピード感を持って審査した」と強調。この答弁に蓮舫氏は「スピード感を持って確認が緩くなった」と追及し、制度見直しを求めた。
岸田文雄首相は「(臨時交付金の)7割は医療であったり、協力金であったりに使われている」と説明。残り3割は「国としてもしっかり検証をして、説明する努力はしないといけない」と語った。