食べてばかりですが「仕事」です
一勝一敗で迎えた三回戦。目指すは、フレンチトースト17枚完食のみ。1.2キロのステーキに比べたら、勝率は幾分か高いはず。決戦の地は、再び「オールデイダイニング セラーレ」だ。料理人が丁寧に、目の前で焼いてくれる人気のフレンチトーストを、大きな皿に17枚盛り付けていく(他の方のご迷惑にならないよう、配慮しました)。
テーブルに座り、ふと気づいた。なぜ「17枚」?
酒井さん「以前、フレンチトースト好きのお客様が16枚完食されたからです」
お任せください。記録を更新してみせましょう。
一枚目。口に含むと、じゅわっと溶けるようにパンが小さくなっていく。「おいしい」以外の感想を探せない。残り7枚のところで急ブレーキがかかったが、胃袋に若干の余裕を感じたため、コーヒーを投入し、勢いで流し込む作戦に変更。無事に完食した。これで2勝1敗!
酒井さん「おお、すごい......本当に完食するとは! 無事、琉球和会席ゲットですね!」
J子「(下手に口を開けず、目で笑うことしかできない)」
フレンチトースト完食から少し時間を空け、スペシャリティレストラン「シラカチ 日本料理」へ移動。琉球和会席「URIZUN(うりずん)」を堪能した。「琉球料理伝承人」の資格を持つ、シラカチの統括料理長・嘉数順(かかず じゅん)さんの手によるものだ。
J子「沖縄料理とは違うんですね?」
嘉数さん「はい。琉球料理は、琉球王朝時代(1534年ごろ)に中国の使者を歓待するための宮廷料理がルーツなんです。食前酒に始まり、食後酒で締めくくられます。おもてなしのために、ぜいを尽くしていたんですね」
当時は、肉や卵などが「税」として取られ、貴重な食材だった。「今はもう、手に入りにくい品ではなくなっているので、その分、味付けや調理法にこだわって仕上げています」と嘉数さん。500年ほど前の琉球料理と同じ素材を使い、伝統の食文化を受け継ぎながらも、現代の知見や独自のアイデアを加えて完成させたそうだ。
他にも、嘉数さん自ら厳選した、沖縄県産すっぽん、イラブー(ウミヘビ)などの地元食材も楽しめる。人生初のイラブー、「弾力がある、柔らかいかつおぶし」のようで大変おいしゅうございました。
ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄は、単なる癒やし空間にあらず。刺激的な挑戦もできる場なのだと、数々のおいしい料理と共に、五臓六腑にしみわたりました。